1月3日「小問演習Quiz」更新!

[今日の一問・気体の法則 Lv.★★]千葉工大2022

水上置換で捕集した気体に関する問題を2022年の入試からピックしました。2023年の共通テストでも出題されるかもしれません。いってみましょう。

目次

問題

気体の水素を水上置換で捕集したところ、27℃、1.00×105 Paで、水素と水蒸気の混合気体が300 mL得られた。この混合気体を濃硫酸に通して水蒸気を除去した。この水蒸気を含まない水素の気体を、127℃、4.82×104 Paにすると、体積は何mLになるか。ただし、27℃における水の水蒸気圧は3.6×103 Paであるとし、水素の水への溶解は無視できるものとする。

解説

混合気体に接している水と水蒸気は気液平衡状態であるため、混合気体の全圧1.00×105 Paのうち、水蒸気の分圧は3.6×103 Paを占めています。

ポイント

液体と気体が共存して気液平衡状態になっている ⇔ その気体の分圧は、蒸気圧と等しい

したがって、逆に水素の分圧は\(1.00×10^5-3.6×10^3=100×10^3-3.6×10^3=96.4×10^3=9.64×10^4 \rm \ Pa\)ですね。この気体が物質量一定で、温度27℃(300 K)、体積300 mL、圧力9.64×104 Paから、温度127℃、圧力4.82×104 Paに変化するので、求める体積を\(V\)mLとすると、ボイル・シャルルの法則より

\[\rm \frac{9.64×10^4 \ Pa×300 \ mL}{300 \ K}=\frac{4.82×10^4 \ Pa×V \ mL}{400 \ K}\]

よって、\(V=800 \rm \ mL\)ですね。これが答えです。

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この記事を書いた人

化学の教員はじめました(高校) 化学の面白さをどう伝えるか日々悩み、また私自身も化学の多面的な面白さにまだまだ気づけていないと思い、勉強し続けています。

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