水上置換で捕集した気体に関する問題を2022年の入試からピックしました。2023年の共通テストでも出題されるかもしれません。いってみましょう。
問題
気体の水素を水上置換で捕集したところ、27℃、1.00×105 Paで、水素と水蒸気の混合気体が300 mL得られた。この混合気体を濃硫酸に通して水蒸気を除去した。この水蒸気を含まない水素の気体を、127℃、4.82×104 Paにすると、体積は何mLになるか。ただし、27℃における水の水蒸気圧は3.6×103 Paであるとし、水素の水への溶解は無視できるものとする。
解説
混合気体に接している水と水蒸気は気液平衡状態であるため、混合気体の全圧1.00×105 Paのうち、水蒸気の分圧は3.6×103 Paを占めています。
液体と気体が共存して気液平衡状態になっている ⇔ その気体の分圧は、蒸気圧と等しい
したがって、逆に水素の分圧は\(1.00×10^5-3.6×10^3=100×10^3-3.6×10^3=96.4×10^3=9.64×10^4 \rm \ Pa\)ですね。この気体が物質量一定で、温度27℃(300 K)、体積300 mL、圧力9.64×104 Paから、温度127℃、圧力4.82×104 Paに変化するので、求める体積を\(V\)mLとすると、ボイル・シャルルの法則より
\[\rm \frac{9.64×10^4 \ Pa×300 \ mL}{300 \ K}=\frac{4.82×10^4 \ Pa×V \ mL}{400 \ K}\]
よって、\(V=800 \rm \ mL\)ですね。これが答えです。